口内炎
免疫力が低下すると口内炎になりやすい理由
口内炎の中でも、もっとも多く見られるのがアフタ性口内炎。発生する原因はハッキリと分かっていませんが、過労・ストレスによる「免疫力の低下」が原因の1つであると考えられています。
口腔内は食事や呼吸、会話などで外部と接することが多く、細菌やウイルスなどが侵入しやすい部分。また、口腔内には約300種類の常在菌が生息しており、これには善玉菌と悪玉菌があります(主な悪玉菌:歯周病菌・カンジダ菌・ミュータンス菌・黄色ブドウ球菌など)。
身体が健康なときは善玉菌が口腔内のバランスをとってくれるため、外部から細菌やウイルスが侵入してきても、口腔内に悪玉菌がいても問題はありません。しかし、病気・睡眠不足・過労・ストレス・栄養不足(とくにビタミンB群)などが引き金となって免疫力が低下すると、口腔内のバランスが崩壊。悪玉菌が優勢となり、ちょっとしたことで口内炎が起こりやすくなるのです。
口内炎とは
口内炎とは、口腔内(頬の内側・歯茎など)や周辺粘膜に起こる炎症を指します。口内炎とひと口に言っても、その種類はさまざま。代表的なものを以下にまとめてみました。
- アフタ性口内炎
発生の原因は不明となっていますが、もっとも一般的な口内炎がアフタ性です。赤く縁どられた楕円形の白っぽい潰瘍で、大きさは2~10mmほど。頬や唇の内側・歯茎・舌などに発生し、触ると痛く、食べ物・飲み物がしみたりします。通常は、10日~2週間ほどで自然治癒します。
- カタル性口内炎
義歯(入れ歯)・矯正装置・自身の歯などで粘膜を傷つけることにより、発生する口内炎。傷口に細菌が侵入して繁殖したり、お湯・薬品などの刺激が原因となって起こります。粘膜が赤く腫れたり、水疱ができることも。
- ウイルス性口内炎
単純ヘルペスウイルス・カンジダ菌(真菌の一種)などが原因で起こる口内炎。粘膜に小さな水疱がいくつもでき、びらんや潰瘍を生じるのが特徴です。
知っておきたい予防法
口内炎を予防するには、身体の免疫力を高めることが大事。免疫力が十分に機能していれば、口腔内に細菌やウイルスが侵入してきても、粘膜にできた傷は、すぐにダメージを回復できるからです。
- バランスのよい栄養摂取
まず気をつけたいのは、バランスのよい栄養摂取です。口内炎を予防し・回復力を高める栄養素として挙げられるのは、ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンA(βカロテン)。ビタミンB群の中でもビタミンB2は粘膜保護作用があると言われており、積極的に摂取したい成分の1つ。ただ、ビタミンB群は相互に助け合って機能するため、ビタミンB1・B6・B12などをバランスよく摂取することが重要です。
- 粘膜への刺激を避ける
口内炎を防ぐには、刺激の強い食材に気をつけましょう。辛み・酸味・塩気が強すぎる料理は粘膜に刺激を与えてしまうため、できるだけ避けた方が賢明。また、熱すぎる食べ物にも注意しましょう。歯ブラシや歯間ブラシなどが粘膜に当たっても口内炎になることがあるため、鏡を見ながら丁寧に使用するようにしてください。
- 睡眠時間の確保・ストレスの軽減
睡眠不足やストレスは、免疫力をダウンさせるもとです。しっかりと睡眠を取って疲労を回復し、上手にストレスを発散させて溜め込まないようにしましょう。