風邪やインフルエンザといったウイルスから身体を守っているのは「免疫力」です。風邪やインフルエンザが流行しやすい冬場は、気温が低く空気も乾燥している“低温乾燥”の状態。これはウイルスが活性化し、人の免疫力が弱まりやすい状態です。免疫力が弱まると皮膚・粘膜などから外敵に侵入され、風邪やインフルエンザに感染しやすくなります。
身体が健康な状態であれば、ウイルスが体内に侵入しても発症を抑えることが可能。病原体であるウイルスに対しては身体の中にあるリンパ球が働き、感染を防いでくれるからです。しかし、免疫力が低下するとリンパ球の数が減少し機能も弱体化することでウイルスを除去しきれなくなり、感染・発症、発熱や咳などの症状が現れてしまいます。
免疫力が低下すると風邪やインフルエンザにかかりやすくなりますが、これにはどのような関係があるのでしょうか。
風邪とは、ウイルスが上気道(鼻・のど)に感染することで起こる急性炎症。風邪のウイルスにはライノウイルス・コロナウィルス・RSウイルスなど約200種類があり、季節を問わず感染します。主な症状は、のどの痛み・咳・発熱・鼻水・鼻づまり・頭痛・吐き気など。一般的には1週間程度で治癒しますが、気管支炎や肺炎などに移行するケースも見られます。
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって起こる感染症。ウイルスにはA型・B型・C型があり、主に流行するのはA型とB型です。感染すると1~3日ほど体内に潜伏した後、突然38℃以上の高熱・全身倦怠感・関節痛・食欲不振などの全身症状が現れるのが特徴。その後、のどの痛み・咳・鼻水といった症状が現れ、10日前後で治癒します。非常に感染力が強く、幼児や高齢者においては死亡例もあるため注意が必要です。
風邪やインフルエンザを予防するには、免疫力の低下を防ぐことが第一。免疫力がしっかりと機能していれば外敵の侵入を防ぐことができますし、感染してもごく軽い症状で済むことがあります。