免疫異常が起こるとどんな症状が起こり、どんな病気を患うのでしょうか?免疫異常が招く病気についてわかりやすく解説します。
免疫のトラブルは、単なる低下だけでなく「異常」によって引き起こされることもあります。
免疫力は、自分の体を守るために働く力。病原体などの異物が侵入した際に体を守るために働く機能で、細菌やウイルスが体の中に入ってくると免疫システムが働きだし、白血球などが戦いはじめます。
けれども、何らかの異常が起こり、免疫機能がうまく働かなくなると、身体の抵抗力が低下して感染症にかかりやすくなる「免疫不全」になったり、自分が自分を攻撃してしまう「免疫異常」という現象が起こったりします。
勘違いしがちなのは、反応しすぎる現象を「免疫機能が強くなりすぎた結果」と解釈してしまうこと。
正常であれば、免疫機能を調節するストッパーの役目の「サプレッサーT細胞」がちょうどよい塩梅で働きます。
しかし、免疫異常の場合はこのサプレッサーT細胞の機能が不完全で、免疫機能が働くことをやめさせられず、過剰に抗体をつくってしまいます。
つまり、「免疫が強くなりすぎる」わけではなく、「異常に働く」ということなのです。
なお、免疫異常による症状は、「アレルギー」と「自己免疫疾患」のふたつに大別されます。
アレルギー疾患
外部からの異物に対して過剰に反応してしまい、自分自身を傷つけてしまう症状です。
身体の中に花粉やダニといった、いわゆるアレルギー物質が取り込まれると、リンパ球が抗体を作り、マスト細胞という細胞にくっつき、ヒスタミンというホルモン物質を放出します。
これが、目や鼻で起こると花粉症に、皮膚で起こると蕁麻疹に、気管支で起こると喘息を引き起こしてしまうのです。
など。
なお、近年アレルギー疾患が増えている一因として、子どものときに“衛生的すぎる”環境にあるためと考察されています。
免疫が形成されるのは乳幼児期ですが、そこであまりに衛生的だと免疫反応を学習する機会が減少するため、成長したときに抗体が過剰に反応してしまうのです。
わかりやすい反対例をあげれば、牧場などで家畜と触れ合って育った子どもは、 アレルギー疾患になりにくいという傾向があります。
また、アレルゲン物質が増えていることも、アレルギー疾患増加のもうひとつの原因として考えられています。
自己免疫疾患
自分の身体に対する免疫反応が強くなりすぎ、正常に機能している体の一部を異物とみなし、攻撃してしまう現象です。
代表的な病気は、バセドウ病、リウマチなどの膠原病などが挙げられますが、近年は免疫異常の病気が女性に増えていることが注視されています。
例えば、女性の体調の悩みで多い便秘、肌荒れ、冷え症。これらは、自己免疫疾患が関係している場合も考えられ、甲状腺に対して攻撃してしまう「橋本病」である可能性もあるのです。
自己免疫疾患は現代医学でも治療法が確立できていないのが現状です。
現在では治療法として、自己への攻撃性を弱めて症状を緩和させるため、ステロイドの投与が行なわれています。
しかし、この方法は免疫力そのものを弱めてしまうため、他の病気に罹りやすくなるという大きな問題があります。
つまり、根本的に治療するには、“自己”と“非自己”を見分けるよう、免疫システムを修正しなければなりませんが、残念ながらいまだ対応できていないのです。
など。
これらの疾患は、日常生活を送るうえで支障をきたす場合もありますので、きちんと専門医の診断と治療を受けるようにしてください。
また治療と並行して、少しでも他の病気を遠ざけるため、免疫機能を正常に近づける補助成分を摂取するのもいいかもしれません。
では、この深刻な免疫異常の原因について、解説しましょう。