現代人に増えている免疫異常。その原因は何なのでしょうか。なぜ異常が起こるのか、わかりやすく解説します。
免疫力の異常から起こる病気は、現在とても多く発症しています。
免疫力の「低下」は、免疫作用の攻撃力が弱まり、風邪や病気が起こりやすくなってしまう現象ですが、免疫力の「異常」は免疫作用が過剰に働いてしまい、自分の細胞を攻撃して傷つけてしまう現象です。
免疫異常は、花粉症やアトピー、喘息などの“アレルギー疾患”と、リウマチやバセドウ病などの“自己免疫疾患”の2種類に分類されます。
アレルギーは、花粉やほこりなどの物質を鼻や口から吸いこんだからといって、すぐに発症するわけではありません。
これらの原因物質に接触するたびに、身体の中に「IgE抗体」というものが蓄積され、それがある水準に達するとアレルギー症状として現われてしまうのです。
そもそもIgE抗体は、「腸」に侵入した寄生虫から感染を守る役割を持っています。
腸で働く抗体なのに、なんらかの異常によって「鼻」や「口」の粘膜でIgE抗体が作られてしまうこと自体が、すでに異常なのです。
その原因ははっきりしていませんが、日常生活の無菌化が関係しているとも言われています。
20世紀の初頭は、「免疫は自分自身を攻撃しない」とする説が主流でした。
しかし現在は、自分自身を抗原とする自己抗体が見つかっており、自己免疫疾患の存在が明白になっています。
自己免疫疾患は女性に多く発症することが特徴。
その原因はまだはっきりしていませんが、男性より女性の方が白血球のリンパ球の割合が多く、免疫力が強いためだという説や、ホルモンが関係しているという説、そして、ストレスも原因のひとつという説などがあります。
確かに、ストレスは万病の素であり、病気と免疫が深く関係していますから、ストレスは免疫に大きく関わっていると言えそうですね。
肉体的にも精神的にも、ストレスを感じている時は免疫が低下するので、自己免疫疾患を発症しやすく、このような時に風邪をこじらせると発症の引き金となってしまうようです。