近年、医学情報番組などでもよく耳にする「免疫力」。そもそも「免疫」とは何なのか、身体の中でどんな役割を担っているのかなどをわかりやすくまとめました。
「免疫」について、ひと言で表わすならば、「私たちのからだを守る力」と言ってもいいでしょう。
その文字が表わすとおり、「“疫(疾病)”から免れる」ために働くものなのです。
例えば、空気中には目に見えないウイルスは細菌、カビなどがウヨウヨしていますが、それを吸い込んでもすぐに病気にならないのは、免疫力が備わっているからです。
体内に細菌やウイルスが侵入した時に、自分自身が本来持っている細胞と、体外から入った異物を区別し戦うことで、体を守ってくれるのです。
また、体内で変質した自分自身の細胞(たとえばガン細胞など)から自分自身を守るのも、免疫の機能によるものといえます。
その免疫には2種類が存在し、ひとつは白血球のマクロファージやリンパ球、顆粒球などの細胞によるもの、もうひとつはタンパク質から作られる抗体が主体となるもの。
いずれも、身体に異常をきたす物質と戦い、健康を保ってくれるため、こうした免疫の機能を高めるのはとても重要なことなのです。
しかし、しっかり覚えておいていただきたいのは、免疫力は20歳前後をピークに衰えていってしまうということ。
なにも対処しなければ、どんどんと免疫力は弱まってしまうので、意識して免疫力を向上させるようにしたいものです。
免疫を高めるということは、毎日を元気に過ごせる体にすることです。免疫が高くなれば、主に次のようなメリットが期待できます。
免疫細胞は、がんを退治する重要な役割を担っています。
免疫細胞は正常な細胞には作用せず、がん細胞だけを攻撃し、がんを予防しています。そのため、体内の免疫力がアップすることで、がん細胞の増殖が抑制され、がんを予防することが出来ます。
また、命をおびやかすがん細胞などの悪い細胞は、健康な人でも毎日生まれるものですが、それでも健康を保っていられるのはこの免疫システムのおかげ。
がん細胞の発生を感知したら、すぐさま攻撃して死滅させ、体外に排出するシステムが整っているからです。
ちなみに、「水ぼうそうは一度かかったら次はかかりにくい」とか、かからないとか言いますよね。
これも免疫力によるもの。
正確には「免疫記憶」と呼ばれるもので、私たち人間は同じ病気を繰り返しにくいように作られています。
免疫は自分で悪い細胞やウイルスを追い出すことから、「免疫力=自然治癒力」とも言われています。
この免疫をコントロールするのが“免疫細胞”と呼ばれる白血球。
続いては、白血球が私たちの体を守るためにどんな働きを担っているのかを見てみましょう!