医療水準の高い日本であっても、いまだに治療が難しい疾病は数多く存在しますが、その中でも今回は「シェーグレン症候群」と呼ばれる疾病を解説していきます。
1933年にスウェーデンの「ヘンリック・シェーグレン」と呼ばれる医師によって発見されたシェーグレン症候群について、初期症状の傾向や治療事情について見ていきます。
まず「シェーグレン症候群」が一体どんな病気であるのかおさらいして、初期症状としてどのような症状が存在しえるのかご紹介していきます。
シェーグレン症候群とは、体の腺細胞が異常をきたし、分泌物を正常に分泌できない症状の事を指します。
例えば涙が出にくくなる症状は一般的であり、次に唾液が出にくくなる症状がこの「シェーグレン症候群」で発症する典型的なタイプだと言えるでしょう。しかし、症状が悪化していけば、全身に症状が見られるようになることも珍しくありません。
この「シェーグレン症候群」における初期症状の1つが「ドライアイ」であり、最近では多くの方に見られる症状です。
ドライアイで病院に行ったところ「シェーグレン症候群」の初期症状として診断されることもあります。
もう1つが「ドライマウス」になりますが、言葉の通り唾液の分泌が減り、その後自然に発症するという流れになりがちです。
シェーグレン症候群における原因や治療法は。ここでは、現段階で認識されている疾病知識を解説します。
シェーグレン症候群が発症する原因の1つに、女性ホルモンが著しく低下している事が挙げられます。
一生涯の中で著しく性別ホルモンが減少するケースは女性が多く、これによって「シェーグレン症候群」発症の数は自ずと女性が多くなっています。
そして、「シェーグレン症候群」の治療は、ステロイド剤を使って治療する事が一般的です。
ただ、これ以外にリウマチを代表とする深刻になりがちな膠原病合併症をきたす場合には、ステロイド剤の他に免疫抑制剤も併用される事が多くなるでしょう。
シェーグレン症候群は、同じ様な治療を続けていても、改善する方もいれば思わぬ悪化を招く方もいらっしゃいます。
シェーグレン症候群の症状を悪化させないためには、治療共にどのようなケアをすべきかチェックしていきましょう。
基本的に「シェーグレン症候群」の症状悪化を回避していくには、目の症状にはステロイド点眼薬で涙を促進する方法があります。
しかし、涙を補給する方法もあり、この場合はステロイドではなくてヒアルロン酸などの複数の別成分によって構成された点眼薬によるコントロールが求められます。これは、治療方法であると同時に日常的なケアとして認識すべきです。
また、唾液の分泌に異常をきたしている場合、悪化を防ぐ治療としてはやはりステロイド剤を活用して腺細胞の腫れなどを押さえていくことが重要になってきます。
しかし、これと同時に歯磨きなどで口内を清潔に保ち、唾液が出やすいように水分を常時補給することはより良いケアとして作用します。特に歯磨きは有効で、唾液が不足することによる細菌の繁殖を抑える事が出来ます。
ここまでは、シェーグレン症候群における初期症状からの治療の流れを見てきましたが、やはりできるのであれば発症自体を食い止めたいというのが本音でしょう。しかし、発症予防ができる抜本的な対策はあるのでしょうか?
シェーグレン症候群は発症メカニズムが完全に解明されておらず、上述の原因についても発症の可能性が高いという認識に留まります。
そのため、現状では明確で抜本的な予防対策はとる事が出来ず、普段から「ドライアイ」や「ドライマウス」に対する一般的な予防を進めていくしかありません。
それでも、「シェーグレン症候群」について、男性よりも女性の発症リスクが高い背景には更年期障害の存在が関係していると言われています。
言い換えれば、近い将来的に発症する可能性を予見できることを意味し、事前にサプリなどで免疫力を高めるように準備が進められます。
更年期障害の対策や免疫力を高める事で、シェーグレン症候群の予防になったり、症状悪化を防ぐ可能性があるという事がわかっているだけでも、日々いろんな対策が取れそうですね。