原発性免疫不全症候群は、細菌やウイルスの排泄に、大切な免疫システムが先天的な欠陥がみられる病気の総称です。その症状や免疫との関係性などをまとめました。
原発性免疫不全症候群は、先天的に免疫系に欠陥がある病気の総称で、後天的に免疫力が低下するエイズなどと区別されます。
ごく稀な病気ですが、適切な治療をしないと命に関わる危険があり、早期治療がなによりも大切です。
病気の種類は100種以上ありますが、近年は医学の進歩により原因遺伝子や治療法が明らかとなり、生涯元気に過ごせるようになってきました。
平均して1万人の出生に対し、ひとりくらいの割合で生まれています。
比較的発症頻度が高いと言われている慢性肉腫症は、日本国内で500~1000人ほど存在すると推測されています。
免疫に働きかける遺伝子の異常がおもな原因です。
この10年間に代表的な原発性免疫不全症候群の原因遺伝子はほとんど解明されていて、診断や治療の判断が的確にできるようになってきました。
基本的に遺伝性の病気なので親から子に受け継がれる可能性はあります。
ただし、家族にこの病気の患者がいない例も多く報告されています。
母親が保因者の場合、産まれてくる男児は2分の1の確立で発症し、女子は2分の1の確立で保因者となります。
風邪の症状が治りにくい、何度も発熱するなどの症状があり、ひどくなると入院治療が必要になったり、命を落とす危険も潜んでいます。
症状が軽い場合は抗菌薬の使用でかなりの効果が見込めます。
抗体欠乏による免疫不全症では、月1回程度の静注用ヒト免疫グロブリン製剤を補充すれば、感染はほぼ予防できます。
重症複合免疫不全症など、症状が重い場合は、骨髄や臍帯血による造血細胞移植が行なわれます。
軽症の人は抗菌薬などの薬を使うことで、通常の日常生活が送れます。
重症複合免疫不全症などは造血幹細胞移植をしないと、ほとんどが2歳以上まで生存できません。
慢性肉芽腫症などは、予防内服をしていても、30歳以上になると予後不良、つまり回復の見込みが立たなくなります。
病気を克服するためには治療だけに頼るのではなく、免疫に良い栄養素を摂るなどの努力も必要です。
毎日の食事の見直しはもちろん、健康補助食品なども活用して免疫力を高めていきましょう。