ここでは、重症筋無力症の概要や初期症状の種類、治療や患者の実態などを詳しくチェックしていきましょう。
一般的に人間の日常生活は筋肉による動作で成り立っていますが、この筋力が異常なまでに低下してしいく症状が「重症筋無力症」です。
重症無筋力症は、国から難病指定されています。本来人間は、脳から命令されて筋肉を動かしていますが、このメカニズムが何らかの原因によって機能しなくなってしまうのです。
重度の筋肉痛などでもこのようなケースは起こり得ますが、「重症無筋力症」は最悪の場合全身で発症するかもしれない神経疾患なのです。
日常生活で疲れを感じることはこの記事をお読み頂いている皆さんが経験している事だと思いますが、この疲れが「重症無筋力症」における初期症状である可能性も捨てきれません。
例えば歯ブラシなど特定のものを持ちつづける動作などで、今まで疲れを感じなかったのに急に疲れを感じるようになってきたというケースです。
また、眠気も感じないのに目蓋が落ちてくる事も初期症状と疑えます。
筋肉の動作は脳から信号が発せられる事がきっかけとなり、筋肉がその信号の正常な受け皿として機能すれば、筋肉は動きます
しかし、脳からの信号を筋肉が受け取れない状況になると筋肉が無力な状態になるでしょう。この信号が受け取れない原因としては、人間の体内にて何らかの事情で形成される「自己抗体」による阻害が大きく関わっているとされます。
重症無筋力症の治療法ですが、一般的には免疫療法が採用されます。免疫療法は症状原因と見られる「自己抗体」のコントロールを認知度の高いステロイド剤や免疫抑制剤にて進めていきます。
また、脳からの信号を強くする治療法もあり、これがいわゆる「対症療法」と呼ばれるものでコリンエステラーゼ阻害薬が投入されます。
さて、難病の1つである「重症無筋力症」ですが、治療を進める段階にてコントロールが困難になる場合もあります。「自己抗体」が発症原因であることは解明されていても、それがどのようなメカニズムで体内で形成されるのかは未解明のままです。
そのため、発症予防は困難と捉えられる事も多いのですが、ここでは発症後の治療の難しさをチェックしていきましょう。
面倒な点のひとつに、これまで説明してきた薬剤の投入によっても治療効果が得られない場合です。症状のレベルによっては当然薬剤治療で効果が得られないこともあり、全患者の2割以下にてこのような傾向が見られます。
また、重症無筋力症が悪化する要因として、日常生活によるストレスや生理現象を始めとした習慣的な事情も大きく関わっているとされています。
これらの要因は薬剤などでの改善が難しいだけでなく、患者本人も制御ができない側面を持っているでしょう。特に現代人はストレスを切り離す事が難しいので、治療において大きな障害となっています。
これまで治療に関して説明してきた「重症無筋力症」ですが、現在日本における患者の生活実態はどうなのでしょうか?
難治性の疾病だとしても、少しずつ治療レベルも改善してきたはずですが、現在の「重症無筋力症」患者さんはどのような状態に置かれているか見ていきましょう。
1970年代までは重症無筋力症の治療を行っても悪化するケースが多々あり、呼吸困難などに陥って死亡に至ったケースもあります。
しかし、1980年代に入ると徐々に治療法やケア法が進歩してきたこともあり、症状が悪化して合併症を患うケースは少なくなっています。
現状において、重症無筋力症に関して言えることは「完治することが稀」ということです。決して完治するケースがゼロではありませんが、現実多くの患者さんが治療によって症状を和らげて生活を維持している状態です。
また、日常生活の中で免疫力を高めることも症状悪化を防ぐことに繋がりますので、普段からサプリなどの健康食品を使って症状と上手に付き合っていきましょう。