朝方に強い関節のこわばり、関節の疼痛からはじまり、やがて関節機能がむしばまれていく「悪性関節リウマチ」。その症状や免疫との関係性などをまとめました。
悪性関節リウマチは一般的な関節リウマチに、血管炎をはじめとする関節の症状が加わり、重篤な病変を伴う場合に認められます。
単に関節リウマチが進行して関節機能が著しく低下した場合は、悪性関節リウマチにはあてはまらず、“内臓障害”を伴うことが判断基準になります。
1年間の患者数は約4,000人。関節リウマチ患者の0.6%にあたります。
男女比は1:2で女性に多いのですが、関節リウマチよりも男性の占める割合が多い傾向にあります。
ピークの年齢は60歳代です。
一般的な関節リウマチと同様に原因は不明です。
家族内の発症が約12%みられるため、体質や遺伝が影響しているとも考えられますが、遺伝性疾患と言えるほどの強い遺伝性はありません。
遺伝因子のひとつとしては、関節リウマチに多く認められる白血球の組織適合抗原のHLA-DR4という遺伝子がありますが、これが悪性関節リウマチの場合はより多く認められます。
このほか、悪性関節リウマチでは、リンパ球の機能異常やリウマトイド因子の高値、免疫複合体の形成といった免疫異常も認められます。
悪性関節リウマチが親から子へ100%遺伝することはありません。
とはいえ、関節リウマチが家族内発症が多いことや、一卵性双生児では34%の発症率で、二卵性双生児の7%に比べて高いことから、遺伝的な原因も示唆されています。
悪性関節リウマチは、「全身血管炎型」と「抹消型動脈炎型」のふたつに分類されます。
「全身血管炎型」の場合は、既存の関節リウマチの関節痛に加え、38℃以上の発熱、体重減少をともなう皮下結節、筋力低下、紫斑、筋痛、間質性肺炎、胸膜炎、多発単神経炎、消化器官出血、上胸膜炎などの全身の血管炎による症状が急速にあらわれます。
いっぽう、「抹消型動脈炎型」は、皮膚の潰瘍、梗塞、または四肢先端の壊死や壊疽がおもな症状です。
既存の抗リウマチ剤の継続や、入院治療、ステロイド剤、生物学的製剤、免疫抑制剤、D-ペニシラミン、抗凝固剤などが行なわれます。
食事は、塩分や脂肪分の多い料理を避け、バランスのとれた食事を心掛けましょう。
また、炎症の強い時期は多めにカロリーを摂取するようにしましょう。
魚の脂はリウマチや膠原病に良いと言われています。
病気に負けないためには、まず免疫力を高める栄養素をバランス良く摂ることが大切です。