人間の一般的な平熱は36.5度前後で、身体の各機能はこの体温の状態でもっともよく働くようにできています。体内のさまざまな生命活動(食物の分解・栄養素の生成・解毒など)に関与する「酵素」も、36.5度前後で働きがもっとも活発化するのが特徴です。
しかし、体温がそれよりも低くなってしまうと、身体全体の働きが低下。免疫力や新陳代謝もダウンして、さまざまなトラブルが起き始めるのです。ちなみに、体温が1度下がると免疫力は30%も低下すると言われています。
免疫力がダウンすると病気にかかりやすくなりますし、代謝がダウンすると体温維持に必要なエネルギー生成もうまくいかなくなります。すると、さらなる冷えを招くこととなってしまうのです。冷えは身体から発せられるSOSサインと受け止め、早めに対処していくことが大切です。
冷え性とは、身体のほかの部分は温まっているのに、手・足・腰・腹部など、特定の部分だけが冷えている状態・体質のこと。とくに女性に多く見られる症状で、成人女性の約半分が冷え性の悩みを抱えていると言われています。
冷え性自体は病気ではありませんが、冷えが原因となってさまざまなトラブルを引き起こすことがあります。よく見られるのが、肩こり・腰痛・むくみ・肌荒れ・不眠・倦怠感・便秘といった症状。また、貧血・卵巣機能不全・リウマチなどの症状を悪化させることもあるため注意が必要です。
冷え性は体質だからとあきらめず、日々の生活の中で改善していくことが重要。免疫力アップのためにも、体温上昇は欠かせない要素です。