抗原とは免疫系が認識できる分子のこと!

抗原とは、体内に侵入したウイルスや細菌、異物などのことで、免疫細胞が認識し、働きかけることができる分子のこと。免疫細胞がつくる「抗体」という物質と結合するもの全てを「抗原」と呼びます。抗原は抗体とセットで定義されるものです。

「抗原」は獲得免疫系が認識する分子

免疫細胞が作り出す「抗体」は、「抗原」と結合することで、抗原を排除することができます。このような「抗体」を作り出す働きをしているのが、私たちの体の「獲得免疫」という機能です。

獲得免疫とは、体内に侵入した敵を記憶し、次に侵入されたときにすぐ対処できるようにする免疫反応のこと。この時、獲得免疫が「敵」として認識する物質のことを「抗原」と呼びます。

獲得免疫系の反応において、抗原は記憶され、2回目以降は同じ抗原が侵入してくると、その抗原に特化した免疫力を働かせることができます。

抗原に反応する免疫細胞たち

抗原が体内に侵入すると、さまざまな免疫細胞たちが働き、獲得免疫という機能を発揮します。抗原と反応している免疫細胞は主に下記の3つです。

樹状細胞

入ってきた抗原を認識し、T細胞たちに「この抗原を攻撃しろ!」と命令する機能に特化した細胞です。これを抗原提示機能と呼びますが、樹状細胞は他の免疫細胞と比べてもトップクラスの抗原提示機能を有しています。

樹状細胞に抗原の正体を教えてもらったキラーT細胞は、次にその抗原と出会うと、すぐに敵と認識して攻撃することができます。また、情報を貰ったヘルパーT細胞は、抗原の情報をB細胞やマクロファージに教えに行きます。

マクロファージ

体内に侵入した異物を手当たり次第に食べて消化しているマクロファージ。ヘルパーT細胞から抗原を食べているマクロファージに抗原の種類が伝わると、抗原を食べているマクロファージが活性化し、更に抗原を食べるようになります。

また、異物を食べるほかに、局所に移動してきたT細胞に抗原提示をし、T細胞を活性化させる機能も有しています。

B細胞

B細胞が他の分子を認識しているために出している受容体のことをB細胞レセプターといいますが、まさにこの受容体こそが「抗体」と呼ばれているもの。数百万種類の抗原に対し、それぞれ専門のB細胞が存在しており、抗原が侵入すると、B細胞が出す抗体と結合し、抗原を食べてしまいます。

普段は抗原を食べるだけなB細胞も、ヘルパーT細胞と出会い、樹状細胞から攻撃命令が出たことを知ると、その抗原にぴったりの抗体を沢山作りはじめます。このような機能があるからこそ、特定の病原体に対して特化した免疫反応を起こすことができているのです。

抗原になるのは病原体だけとは限らない!

実は、体内では様々な物質を認識するため、あらゆる抗体が作られています。
このため、中にはウイルスなどの病原体以外にも、体内の成分に反応する抗体も作られます。このとき、自身の成分も抗原として見なされ、これを「自己抗原」と呼びます。

自己抗原に反応する免疫細胞は、放っておくと自分自身を攻撃してしまいすが、正常な人の体内では免疫寛容というシステムが働いており、自己抗原への反応が抑えられています。

関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病は、この免疫寛容システムになんらかの異常が発生し、自己抗原を攻撃するようになってしまうことで発症する病気です。

IgE抗原がアレルギーを引き起こす

ハウスダストや花粉なども、体内に入ると抗原として認識されます。これらに反応するのが、IgE抗体と呼ばれる抗体です。

IgE抗体と抗原が過剰に反応すると、ヒスタミンなどの化学物質が放出され、アレルギー反応が起こります。IgE抗体に反応する抗原は、「アレルギー」と、抗原の英名「アンチゲン」とを組み合わせた造語で、「アレルゲン」と呼ばれています。

通常、IgE抗体はほとんど体内に存在しないのですが、花粉などのアレルゲンが何度も体内に侵入すると、それに対応するIgE抗体が体内に蓄積されていき、ある一定のラインを超えると、アレルギーが発症します。

抗原にもいくつも種類がある!

あらゆる物質が抗原にあてはまる可能性がありますが、抗原と呼ばれるためには、特に次のような条件を満たす必要があります。

  • 獲得免疫系に認識される
  • 1万以上の分子量を持つ巨大な分子
  • 水溶性である
  • 複雑な分子構造をしている

これらの条件を満たした物質を抗原と呼びますが、免疫学上の分類では、さらに以下のように分類されています。

完全抗原

抗原の中でも、B細胞に抗体産生を促す(=免疫原性)もののことを完全抗原と呼びます。 完全抗原は更に次の2つに分類されます。

胸腺依存性抗原

B細胞が抗体を産生する際、ヘルパーT細胞の助けを必要とする抗原

胸腺非依存性抗原

ヘルパーT細胞の助けなく抗体産生を促す抗原

不完全抗原

分子量が小さいため、この抗原だけでは、B細胞に抗体産生を誘起させることができない抗原を、不完全抗原(ハプテン)と呼びます。
不完全抗原は、タンパク質などの分子量の大きい分子(キャリヤー)と結合すると、完全抗原になります。

生物学的な分類

完全・不完全抗原の他に、生物学的には次の6つに分類されます。

異種抗原

自分とは異なる異種動植物の生態物質からなる抗原(例:牛乳、細菌、ウイルスなど)

同種抗原

自分と同じ動植物の生態物質からなる抗原(例:輸血、移植など)

異好抗原

異種族間で共通して存在する抗原(例:フォルスマン抗原など)

自己抗原

自分自身の成分由来の抗原

種特異抗原

ある種の動物のみに存在する抗原

臓器特異性抗原

生物の種類に関係なく、臓器だけに存在する共通の抗原

抗原は全ての免疫反応の始まり

獲得免疫反応の始まりとなる、抗原。
何百万種類もの数がある中、私たちの体には、その中でも特に攻撃すべき抗原をより分け、その抗原に特化して攻撃する免疫力が備わっています。
正常な免疫力を落とさないよう、負けないからだを作りましょう。

免疫マン

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